企業が取り組みやすいワーケーションのかたち
企業は社員のワーケーションをどう応援するのか
一般的にワーケーションは、リゾート地や自然豊かな環境などで、
開放的な気持ちで働き、仕事が終わればのんびりとリラックスしたり
好きなアクティビティをしたりして過ごすという働き方です。
フリーランスの方にとっては、ワーケーションなる言葉が生まれる前から
そのような働き方をしてる方も多いかと思いますが、
企業に勤める方がワーケーションとなると、
そもそも「余暇」については個人の問題なので、
会社としてどう関わるのだろうかという疑問がありますし、
会社側としては、セキュリティーの問題であったり
業務時間や内容の把握が難しいといったことがあるので
いくらリモートワークが進んできているとはいえ、
なかなか気軽に導入することできないだろうなと想像できます。
では、企業として取り組みやすいワーケーションとはどういうものでしょうか?
白川町グリーンツーリズム協議会では、農泊の推進として、ゲストハウスの整備や
アクティビティ・体験メニューの開発などなど、
地域の魅力を再構築(Reborn)しているところなのですが
これは、ワーケーションの受け入れと内容が重なる部分が多いので、
昨年からネット環境の整備やコンテンツの見直しなど、
ワーケーションに繋がる部分の改善に積極的に取り組んできました。
しかし初めてのことで、こちらとしても実際に何を求められているのか
分かりませんでしたので、まずモニターとして
近隣の都市に営業所を持つ企業に利用していただきました。
その際に、事前にご要望等をヒアリングをしたのですが、
そこで伺った企業のニーズとしては
①コロナ禍で社員研修ができていない
②身体を動かす機会が減っており、社員の心身の健康維持が課題
ということがありました。
なるほど、コロナは身体だけでなくて、社員のコミュニケーションの機会を奪い
心まで蝕んでくるのか!と憤りを感じますが、
そんな時だからこそ、広々とした白川町の空のもと、美味しい空気を吸って
ワーケーションをしてほしい!と願うばかりです。
ということで、企業の担当の方と検討した結果、
今回のモニターワーケーションプログラムとしては、
・「研修」を中心としたワーケーション!
となりました。
利点として、研修ということであれば、企業活動の一環であるので
会社としても人的・金銭的にバックアップがしやすい状況が作れるということ。
また、少人数のチームを複数回に分けて行うワーケーションであれば
リスクマネジメントしやすいということもあります。
(今回は参加者を1回に3名とし、それを6回実施した)
滞在は1泊2日とコンパクトですが、とても中身の濃い内容となりました。
まず今回の研修内容は、
「方眼ノート講座」+「有機農業体験」 です。
「方眼ノート講座」は、和ごころ農園の伊藤さんを講師に招き
「外資系コンサルタントや東大合格生が使っているノート」というキャッチーな部分から
「思考の整理やプレゼンのためのノートの使い方」という実践的なところまで、
2日間かけて、じっくり講義していただきました。
これについても、事前にいつも企業で取り組んでいる研修内容を伺った上で、
その内容ともリンクするかたちで進めたので、より理解が深まったように思います。
また有機農業体験では、こちらも伊藤さんの指導のもと
大根の種まきや芋掘り、味噌作り体験などをしていただきました。
作業中に聞いたタネの品種や交配などの話も新鮮だったようです。
タイムスケジュールとしては
1日目の午前9時45分から12時30分まで方眼ノート講座①。
お昼休憩の後、13時30分から16時まで方眼ノート講座②。
ささっと夕食の準備をした後、
「ととのう」をテーマに、テントサウナやヨガなどのアクティビティ体験。
18時くらいから地元食材をつかった楽しい夕食・・・風呂、就寝。。。
2日目は午前8時30分から、自転車で近くの畑まで移動して農作業に汗を流し
午前10時から12時までは通常業務と研修のまとめ、片付けなどをして、
解散〜地元飲食店で昼食・・・
という流れでした。
アンケート結果 ※ページの下の方です。
全体的にとても良い感想をいただきました。
農業体験やアクティビティも大変好評で、受け入れ側としてもほっといたしました。
やってみて、気づいた点としては
アクティビティは有料のものも多いので、会社の福利厚生として
費用の補助等を行っていただくと、利用率が上がってありがたい
(少人数では受け入れできないアクティビティもあるので)
ということがあります。(今回はモニターでしたので、参加者の方に、
アクティビティや飲食店で使える地域クーポン券をプレゼントいたしました。)
そして、事前に、ある程度利用者のニーズや属性等を伺っておくことで
きめ細やかな対応が可能になる、とういうことです。
事前に打ち合わせをしたことで、
受け入れ側としてはしっかり準備ができましたし
参加者にとっても満足度が上がり、お互いにWinWinであったと思います。
今後は、このワーケーションという働き方を、SDGsの観点からも整理し、
SDGsなワーケーション・社会貢献型ワーケーションとしても
利用していただきたいと考えています。
白川町のような人口減少の進む中山間地では、
地域の宿泊施設やコワーキングスペースを利用していただくこと、
また農業・林業体験や、様々なアクティビティに参加していただくこと自体が、
SDGsへ十分つながる活動となります。
また白川町では、カーボンオフセット・J-VER制度を取り入れています。
企業のCSR活動にもつながる「SDGsなワーケーション」を取り入れてはいかがでしょうか。
今回は「研修型」のワーケーションのご紹介でしたが、
施設を社員のチームで貸し切りにした「合宿型」のワーケーションも可能ですので、ぜひご利用いただければ、と思います。
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